配線や電極として使用した金属が、絶縁物の上や界面を移動する現象。
大きく分けてマイグレーションには2種存在する。
①イオンマイグレーション
②エレクトロマイグレーション
エレクトロマイグレーションは、電界の影響で金属成分が電子の衝突により、非金属媒体の上や中を移動する現象である。
エレクトロマイグレーションは腐食生成物と類似(デンドライト状)している為、混同される事が多い。
ちなみに、腐食生成物は電界が無くても発生するが、エレクトロマイグレーションは電界が無いと発生しないので注意する事。
項目 | 温度 | 電流密度 | 湿度 |
イオンマイグレーション | 低温 [<100℃] | 小 [<1mA/cm2] |
高いほど顕著 |
エレクトロマイグレーション | 高温 [>100℃] | 大 [>104mA/cm2] | 殆ど乾燥 |
・樹状[デンドライト:Dendrite]
絶縁物の表面を、陰極から陽極に向かって成長する。
・CAF[Conductive Anodic Filaments ]
絶縁物中の繊維等に沿って陽極から陰極に向かって成長する。
・その他
【橋状(bridges),雲状(clouds),山状(hillocks),山崩れ状(landslides),ひげ状(whiskers)等】
試験方法 | 内容 |
簡易方法 |
・WD法:脱イオン水滴下法 (Water Drop Test) ・希薄電解液浸漬法 ・ろ紙給水法 |
環境試験 |
・恒温恒湿試験 ・温度サイクル試験 ・温湿度サイクル試験 ・結露サイクル試験 ・PCT:プレッシャークッカー試験 ・HAST試験※ |
※HAST:Highly Accelerated temperature&humidity StressTest の略
不飽和(相対湿度85%)のプレッシャークッカー試験を指す。
Cu電極間の電位差と、周囲雰囲気中から表面に吸着された水の存在により、電離(Cu→Cu+)が起こる。
・陽極では
Cu+4H2O ⇒Cu(OH)2+O2+3H2
・陰極では
Cu(OH)2⇒CuO+H2O
の反応が進み CuOのデンドライトが陰極側から陽極側に向かって成長する。
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市場不良が多く、再現のしにくい不良ですので、ココでしっかりと学んでおきましょう!
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