リフトオフはディスクリート部品を はんだ付けした際に、スルーホールのフィレット近傍で起こる剥離現象の事です。
単にリフトオフというと、大きく分けて2つの現象を含んでいます。(厳密には3種)
1) フィレット剥離 (ランド-はんだフィレット間の剥離現象)
2) ランド剥離 (ランド-基材間の剥離現象)
この他、非常に稀なケースですが、3番目として「基板内層剥離」を起こす事も確認されていますが、はんだ付け時の熱影響による発生との区別が困難な為、注意が必要です。
上記1)のフィレット剥離の場合は、“接合部”である,はんだと合金層との界面での剥離である為、①基板設計、②製造条件の両面での改善が必要です。一般的には信頼性上“大きな影響は無い”とされていますが、これは程度によります。接合面積を阻害する現象ですので、無い方が良い事は言うまでもありません。
上記2)のランド剥離の場合は、はんだ接合部の強度が基材よりも強かった事を示しますので、上記①、②の他、③基板製造(基板メーカー)での改善も必要となります。
一般的には、オーバーレジスト(ランド上へレジストを被せる)等の物理的な対策を施す事で、発生の回避を行っている事が多い。
ちなみにランド剥離は、凝固中に蓄積された応力が緩和されずに残留し、ランドと基板内部に集中した為に生じる。